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身体を守る!リスクを回避する緑黄色野菜ブロッコリー〈broccoli-Nutrition〉

年末まで忙しい。休めないからスタミナをつけなくては……。と思っているのならブロッコリーをオススメします。
「ただの野菜でしょ」なんて言わないでください。ブロッコリーの実力をご紹介します。

子供はブロッコリーが苦手?生で食べるのが普通?

ディズニー映画「インサイド・ヘッド」では「色も変、形も恐竜っぽい」と表現されているブロッコリー。
アメリカでは子供が嫌いな食べものの代表だとか。(ちなみにこのシーン、日本ではピーマンにかわっています)
大人になってから好きになる辛味やエグ味は食経験がない子供にとってはまずい味。それを体に良いからと無理に食べさせられた記憶はトラウマになりますね。
海外でポビュラーに出会うブロッコリーですが、食べ方にびっくりすることがあります。
アメリカのオーガニックレストランでサラダをオーダーした時に出てきたブロッコリーに衝撃を受けました。
やけに瑞々しく、しっかりしていると思ったら生のまま。違うレストランのサラダバーでもブロッコリーは生でした。
聞いてみると生で食べるのが一般的だそうです。確かに独特の臭いも無く栄養も保たれるとは思いますが、頭の中は「ブロッコリーは加熱しないと食べられない」という意識が植え付けられているので、全く慣れませんでした。ちなみにカリフラワーも生でした。
イタリアでは真逆で原型がわからないほど、クタクタに煮込まれて鮮やかさが無くなったブロッコリーに出会いました。
ところ変われば食べ方も変わりますが、やっぱり日本で食べる丁度良い歯ごたえのブロッコリーが一番好きです。

栄養は主役級!優秀なブロッコリー

ブロッコリーは主役にはなりませんが、その栄養価は主役級です。
「最近身体が弱っている」「風邪を引きやすいかも」と感じているのなら、ブロッコリーがおすすめです。

リスクから守ってくれる植物のちから~ファイトケミカル

植物にはファイトケミカル(フィトケミカル:phytochemical)と呼ばれる化学成分が含まれています。
化学成分と聞くと何だか体に悪そうなイメージですが、野菜・ハーブ・フルーツ・お茶などに含まれている苦味・渋味・色素の成分です。
身近なところで言うと、ブルーベリーに含まれるアントシアニン、緑茶に含まれるカテキン、大豆イソフラボンなどのポリフェノールもファイトケミカルです。

ブロッコリーのスルフォラファン

アメリカの国立癌研究所 (NCI)は、がん予防に効果がある野菜としてブロッコリーを選んでいます。
テレビのCMで「ブロッコリースプラウトのスルフォラファン」と宣伝していますが、このスルフォラファンがイソチオシアナート類のファイトケミカルです。アブラナ科の野菜であるブロッコリー、キャベツ、ケール、芽キャベツなどに含まれています。
少しピリッとした辛味があります。イソチオシアナート類はがん発生リスクを下げる、免疫力を高めることが期待できる成分として様々な研究がされています。
「免疫力」は常に体を守っている防衛機能です。免疫力には個人差がありますが、疲れ、ストレス、不規則な食事、栄養不足などが免疫力に影響を与えています。「免疫力が落ちているな……」と感じた時はサラダバー付きのランチを!ブロッコリーを多めにとってくださいね。

ブロッコリーは低糖質でビタミン、ミネラルを含んでいます

秋から冬にかけて旬をむかえるブロッコリー。食べている部分は蕾の部分です。
ブロッコリーはヨーロッパとアフリカの間の地中海地域生まれ。
カリフラワーも同じ仲間ですが、ブロッコリーは緑黄色野菜、カリフラワーは淡色野菜なのでβ-カロテンは顕著に違いが出ています。

ダイエットの時にも安心・低糖質野菜

ボリュームがあって食べ応えがあるブロッコリーの糖質量は茹でたブロッコリー100グラム当たり0.6g。カリフラワーの約半分です。
食物繊維もしっかり含まれているので、糖質をコントロールしている方には強い味方です。

葉酸、カリウム、ビタミンK、ビタミンCがしっかり含まれています

葉酸……水溶性ビタミン。ヒタミンBの一種です。
ビタミンK……アルファルファ、緑黄色野菜、納豆、海藻などに含まれている脂溶性ビタミンです。血液の凝固を促します。
ビタミンC……生のブロッコリーでりんごの20倍、レタスの24倍量にあたります。

美容の基本・ビタミンACE(エース)

体内で必要な時にビタミンAになるβ-カロテン、ビタミンC、ビタミンEがしっかり含まれています。ビタミンACEは美肌には欠かせないアンチエイジング成分です。寒くてもこの季節の紫外線は侮れません!内側からの美肌ケアが必要です。
また粘膜を強くする働きがあるので、風邪予防のためにも積極的に摂りましょう。

食べきれない時は冷凍庫に

冷蔵庫に入れておいたブロッコリーが黄色っぽくなるのは蕾が花を咲かせようとするからです。
この状態になると味も変化してしまうので、買ってすぐに召し上がらない時は、小房に分けて冷凍しておくことをオススメします。

簡単!おいしい!オススメのブロッコリーメニュー

ブロッコリーの天ぷら

生のブロッコリーを房に分けて、天ぷらの衣をつけて揚げます。油と料理することでビタミンも効率良く摂取できます。
固い茎の部分も美味しく召し上がれます。
衣ににんにくのすりおろし、粉チーズを混ぜるとフリット風のおつまみに。仕上げにレモンをかけて召し上がってください。

茹で過ぎた。やわらかくなってしまったブロッコリー

思い切ってマッシャーでつぶしてスープに加えてみましょう!
バルミジャーノチーズと生クリームを混ぜてペースト状にしたものを茹でたパスタと合わせたり、フランスパンの上にぬってオープンサンド風にも出来ます。

材料(2人分)
◇ブロッコリー  1/2個
◇オリーブオイル 大さじ1杯
◇にんにくのすりおろし 小さじ1/2杯
◇塩  少々
◇パルミジャーノチーズ(粉チーズ)  大さじ2杯
◇生クリーム 大2
◇塩、こしょう
◇ショートパスタ(ペンネ) 140g
◇塩(パスタを茹でる際に使用) 適量

作り方
①ブロッコリーは小房に切って塩少々を加えた熱湯でやわらかめに茹でます。ザルあげして水気を切った後、オリーブオイル、にんにくのすりおろしを加えてよく和えておきます。
②生クリームを加え、マッシャーなどを使ってつぶします。パルミジャーノチーズを加えてよく混ぜ、塩、こしょうで味を調えます。
③茹でたペンネに2を入れて混ぜ合わせます。

※スープにする際は、作り方2の後にお好みの量のコンソメスープを加え、豆乳または牛乳でのばしてください。ブロッコリーを茹でる際に、小口切りにしたネギ(ポロネギ)を一緒に加えると体があたたまるスープになります。

【監 修】

■フードディレクター・栄養士
藤原たかこ先生
オーガニック・健康食品会社にて商品企画開発・販売促進、料理教室を担当すると共にパン、デリカテッセンの商品開発、マクロビオティック、アンチエイジングレシピをユーザー向けに提供。コラム執筆、女性の美と健康をサポートするためのレシピ商品を使ったレシピなどを、雑誌・WEBマガジンに提供するなど活躍中。著書「"効く"レシピ」。

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