行事食でスッキリ!1月7日は春の七草

2018年が始まりました。
新年を迎えると、今年の目標を決め、チャレンジしたいことを宣言したり、
仕事、健康や美容、「今年こそダイエットをするぞ」と気合を入れる方、
旅行を計画している方も多いかと思います。
私の目標は「行事食をしっかり実践すること」
年末年始は何年ぶりかで、お節料理をきちんと一から作りました。
調味料や食材は少し贅沢に。
手間と時間はかかりましたが、お節料理の意味や由来を考えながら作っていると、あらためて日本の伝統と、お節という行事食は良いものだな、と感じたお正月でした。
日本には春夏秋冬を通して、様々な行事食があります。
行事食にはそれぞれ意味があり、伝統として現在も続いています。
野菜や果物の旬が曖昧になってきましたが、行事食はその季節の旬や食文化を感じられる大切な食事です。
サプリメントがない時代、食材の効能を知っていた先人の知恵は、今も勉強になります。
◇1月7日は春の七草
春の七草は、七草を入れた七草粥を食べることで、邪気を払い、無病息災を祈る風習です。
お正月最後の1月7日。
春の七草は一年の内5回ある五節句のひとつです。
節句は季節の変わり目のことで、元々は中国の唐の時代から伝わったものと言われています。
5節句は呼び名は違いますが、行事として現在もしっかり根付いています。
まず最初の節句は1月7日。人日とも呼ばれています。
『五節句』
人日(じんじつ) (1月7日)
上巳(じょうし) (3月3日)~桃が咲く時期、桃の節句
端午(たんご) (5月5日)~菖蒲の節句
七夕(しちせき) (7月7日)
重陽(ちょうよう)(9月9日)~菊の節句
人日(じんじつ) (1月7日)
人日とは、古代中国の年中行事を記した『荊楚歳時記』に人を占う日として人日とよび、七種菜の羹を食し無病を願う行事と記されている。
わが国では、正月の若菜摘みの習俗と中国の行事と合体して七草粥が生まれたとされる。
この日、平安時代には七草粥は公式行事に入らないが、室町時代から江戸時代にかけて、七種類の若菜を粥に入れて食べる七草粥の風習が形を整え五節句の一つに加えられたのである。
平安時代当時は羹(熱い汁)であったが、室町時代から粥になる。
七草とは、芹・なずな・ごぎょう・はこべら・ほとけのざ・すずな・すずしろの七種のことで、新年にあたり野草を食べるとその強い生命力にあやかり長生きができるとされた。
宮中では水無瀬神宮より七種の菜を献ずるしきたりがあり、民間では「唐土の鳥が日本へ渡らぬさきに七種なずな」という七草囃子をうたいながら七草をきざむ習いがあった。
これは年頭にあたり農作物の敵である鳥を追う祈りでもある。
七日正月に七草粥を食することは、元旦から続く正月行事が終わる直会の日であり、餅に疲れたお腹を休めるための理にかなった行事なのである。
◇七草粥に入る7種類の野菜。「せり・なずな・ごぎょう・はこべら・ほとけのざ・すずな・すずしろ」
①せり
②なずな(ペンペン草)
③ごぎょう(ハハコグサ)
④はこべら(ハコベ)
⑤ほとけのざ
⑥すずな(かぶ)
⑦すずしろ(大根)
七草は昔から薬用植物として知られています。
野菜というよりも、イメージは和ハーブに近いかも知れません。
これらの野菜は、カリウム、β-カロテン、葉酸、ビタミンC、ポリフェノール成分などが含まれている緑黄色野菜です。
七草のせり、なずな、すずな(かぶ)、すずしろ(大根)の栄養成分をピックアップしてみました。
・カリウム
カリウムはアルコールを多く飲む方、甘いものが好きな方、塩分を摂り過ぎる方は不足しがちな成分です。
・β-カロテン
風邪を引きやすい方、喉が弱い方は、不足しているかも知れません。粘膜を強くする働きがあります。
体内で必要な時にビタミンAになります。これからの季節には大切な栄養成分です。
七草粥はお粥なのでカロリーはもちろん低く、消化が良いので胃腸に負担をかけません。
ご馳走やアルコールで働きづめの胃腸を労わるにはピッタリのメニューです。
7種類を自力で揃えるのは難しいですが、今は「七草セット」なるものがスーパーで販売されているので、気軽に七草粥を楽しむことができます。
正直言って子供の頃は、味がない白粥に草の味を、美味しいと感じることが出来ませんでした。
「七草粥というものはこういうものだ」と渋々食べていた記憶があります。
もし、七草が揃わない時は、セリ科、アブラナ科、シソ科の野菜から選んでみてはいかがでしょうか?
例えば、好き嫌いがはっきり分かれますが、今大人気のパクチーはセリ科の植物です。
独特の香りはドデセナールという芳香成分。健康効果も期待されています。
・セリ科
パクチー、三つ葉、にんじん、セロリ、パセリ
・アブラナ科
クレソン、小松菜、菜の花、ブロッコリースプラウト、ケール
・シソ科
バジル、エゴマ
◇七草粥の作り方
米・・・1合
水・・・約7倍
七草・・・適量
塩・・・少々
まず、七草の準備をします。
A.かぶ、大根の根にあたる部分は、細かく刻みます。
B.葉の部分は、よく洗った後、上から熱湯をかけてしんなりさせます。水に取りざる上げします。
よく水気をしぼった後、約1センチの長さに切ります。
①米をといでザル上げします。
②鍋に1の米、水を入れて約1時間浸水させます。加熱して沸騰したら弱火にして30分~40分加熱します。
ポイントは、途中でかき混ぜないこと。かき混ぜると粘りが出てしまいます。
鍋にふたをする際は吹きこぼれないように注意をしてください。
③下準備をしたAを入れて蒸らします。召し上がる直前に、Bを加えて混ぜます。お好みで塩を加えて味を整えます。
お正月気分が抜けていない時期ですが、そろそろ体を通常モードにリセットしたいと感じているのなら七草粥を。
まだまだ冬の厳しい寒さは続きますが、少し先の春を待ちわびながら七草粥で身体を温め、年末年始の疲れた体を内側から癒してあげましょう。