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176年前に誕生!4月12日はパンの記念日。

「厚切り食パンをカリっとふわっと焼いて、バターをぬってサクっと食べる」
想像しただけで、香りが漂ってきます。まさに至福の朝食です。
コンビニのプレミアム食パンから始まった「食パンブーム」。
高級食パンの専門店が増え、更に食パンが美味しく焼けるオーブントースターの人気も、食パンブームに拍車をかけています。
春は新生活がスタートする時期です。慌ただしい朝には、ごはんよりもパンが良いとのことから、春になるとパンの需要が増えるそうです。

(総務省 1世帯当たり1か月間の支出 より)
月別のパンの消費支出を見てみると、確かに3月にパンの支出がぐんと増えた後、夏に向けて下がります。夏の猛暑は食欲が減り、パンよりもさっぱりとした麺などを好むことが理由のひとつと言われています。そして、秋になると食欲も復活し、冬に向けて再び上がる傾向です。
毎年ブームになるパンがありますが、3年くらい前は「一大クロワッサンブーム」でした。
クロワッサンを揚げたニューヨーク発の「クロワッサンドーナッツ」から「クロワッサン生地のたい焼き」、フランスから上陸した本格的ブーランジェリー(パン屋)は、バターにこだわった正統派のクロワッサン。様々なクロワッサンが登場しました。
そして、現在は原点回帰ともいうべき、食パンやコッペパンがブームになっています。
今までの食パンやコッペパンと違うところは、他のパンは販売せず、食パンのみ。コッペパンのみの専門店であること。
食パンは、粉や食感にこだわり値段も高額な高級食パンですが、コッペパンは、ジャムやピーナッツ、そして焼きそばなど、昔懐かしい具をはさむタイプが人気です。

◇お米は縄文時代、パンは江戸時代後期

古代エジプトでは既にパンが作られていました。
お米の歴史は学校で習いましたが、日本のパンはいつ生まれたのでしょうか?
ちなみに、お米は弥生時代とされていましたが、すでに縄文時代には農耕が始まっていました。
かつては食用植物の栽培つまり農耕は、弥生時代以降のこととされていたが、近年では縄文時代においても農耕が行われていたことが確認されている。
縄文時代の始期については、近年では一万数千年前とされているが、ほぼ4~5000年前の縄文中期頃には農耕が行われていたものと考えられている。

農林水産省 日本食の歴史より

「非常食目的のパンの誕生」

日本には、戦国時代に、鉄砲とともに伝えられたとされています。
その6年後イエズス会のフランシスコ・ザビエルらが、日本でもパン作りを始めましたが、キリスト教が禁じられてからは、長崎などで西洋人のために細々と作られていただけでした。
日本人のためにパンが作られたのは、1840年に中国で起こったアヘン戦争がきっかけでした。
徳川幕府は、日本にも外国軍が攻めてくることを恐れ、兵糧としてパンを作らせたのです。
米飯では炊くときの煙が敵方にとって格好の標的になりかねません。
それに比べ、固いパンは、保存性と携帯性の面ですぐれていると考えたからでした。
幸い、この非常食は活用されずにすみましたが、このときパン作りの指揮をとった江川太郎左衛門は、「パンの祖」として知られるようになりました。

江川太郎左衛門の師に当たる高島秋帆の従者に、長崎のオランダ屋敷に料理方として勤め、製パン技術を覚えた作太郎という人がいました。
そこで、作太郎を伊豆韮山の江川太郎左衛門宅に呼び寄せ、パン焼き窯を作り、1842年4月12日、記念すべき「兵糧パン」第1号が焼き上げられました。
4月12日が、いわば日本のパン発祥の日であることから「パンの記念日」とし、そして毎月12日を「パンの日」として全国のパン屋さんがより一層のサービスに努めることを、パン食普及協議会が1982年に定めました。
パン食普及協議会 パンの歴史より

「パンの祖」のストーリーを知ると、興味がわき、試食したくなりました。
色々調べてみると、パンの祖を再現したものが販売されていると聞き、早速取り寄せて、試食してみました。

原材料は、とてもシンプル。小麦全粒粉、塩、米糀のみです。
保存食目的なので、水分が少なく、表面はカチカチで、食感は、二度焼きをしているせいか、甘食(あましょく)が固くなったようです。
そして、噛めば噛むほど小麦の甘味を感じられ、想像したよりも食べやすかったです。
江戸時代に思いを馳せながら、噛みしめて食べるパンの祖。
176年後のパンは、モチモチふわふわになっているとは、江川太郎左衛門も想像すらしなかったかも知れませんね。

◇パンの栄養

パンの種類ごとの栄養成分を見てみましょう。
カロリーを見てみると、目立ってごはんが低いわけではありません。
そのように言われる背景は、咀嚼感や、食べ方、合わせるおかずなど、総合的に考えた結果だと思われます。例えば、あまり噛まずに食べられる、やわらかいパンは満腹感をあまり感じないので、量を食べてしまう傾向にあります。
次に脂質を見てみると、フランスパンの脂質は低く、バターを折り込むクロワッサンは高くなっています。
菓子パンのメロンパンとあんパンは脂質も糖質量も高くなります。「パン」という名前がついているので、主食として考える方も多いですが、菓子と認識したほうが良さそうです。
インドカレーと一緒に食べる「ナン」は、シンプルなパンですが、ボリュームがあるので、カロリー、糖質量が高めです。

◇美味しいバタートースト

さて、美味しい食パンはバタートーストで。食パンそのものの美味しさを楽しみましょう。
作り方は、色々ありますが、簡単で美味しい作り方を2種類ご紹介します。
ポイントは、バターの下準備です。バターは無塩バターを選んでください。
そして、バターを室温に戻して、やわらかくすること。
少し手間がかかりますが、フワッとしたバターは「これは生クリーム?」というような美味しさです。

もうひとつは、切り方です。ピーラーでバターを削ります。
固まりのままバターをのせると、正直ぬりにくいですが、うすく削ることで、その不満が解消されます。
ぜひ、一度お試しください。

【監 修】

■フードディレクター・栄養士
藤原たかこ先生
オーガニック・健康食品会社にて商品企画開発・販売促進、料理教室を担当すると共にパン、デリカテッセンの商品開発、マクロビオティック、アンチエイジングレシピをユーザー向けに提供。コラム執筆、女性の美と健康をサポートするためのレシピ商品を使ったレシピなどを、雑誌・WEBマガジンに提供するなど活躍中。著書「"効く"レシピ」。

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