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野菜の女王 絶品!春のアスパラガス

まさに今が旬のアスパラガス。4月から6月が旬です。
生産地として有名なのは、北海道と長野県。
旬以外の時期は輸入アスパラガスが出回っているので、一年中見かける野菜ですが、やはり国産アスパラガスの美味しさは格別です。
アスパラガスの語源は、「新芽」を意味するギリシャ語の「aspáragos」、ラテン語の「aspáragus」からきています。
日本では、グリーンアスパラガスが主ですが、ドイツやフランスでは、ホワイトアスパラガスのほうが親しまれています。
ドイツでは、アスパラガスを「野菜の女王」フランスでは「貴婦人の指」と称されています。
グリーンとホワイトは、栽培方法が違いますが、全く同じ品種です。栄養的にはグリーンのほうが優れていると言われています。
日光に当てて栽培するのがグリーン。
日に当てずに、土で覆ったり、遮光栽培するのがホワイトです。
生のホワイトアスパラガスは、甘くて香りが良く、少しほろ苦い味わいです。
ホワイトアスパラガスはシンプルに料理するのが一番です。
例えば、ホワイトアスパラガスをオリーブオイルで焼き、塩、こしょうで味付け。上に半熟目玉焼き、粉チーズをのせます。目玉焼きを崩しながら、アスパラガスをからめて召し上がってください!
缶詰のホワイトアスパラガスのイメージが根底から覆されます。
グリーン、ホワイトのアスパラガスの他に、「紫色のアスパラガス」もあります。
昨年、紫アスパラガスを購入し、茹でて食べようとしたところ、何と紫色が緑に変わってしまい、かなりショックを受けました。
気付くのが遅かったのですが、よく考えてみたら紫色はアントシアニン。
水溶性の色素なので、茹でると色素が抜けてしまいます。
紫アスパラガスは甘味もあり、やわらかいので、穂先の部分は生のままサラダに、茎の部分はさっと焼いて召し上がってください。

◇太いアスパラガス、細いアスパラガスどちらがお好みですか?

細いアスパラガスが育って太くなるイメージですが、土から芽を出した時に、細いものは細いままです。太さは変わりません。
太いアスパラガスは細いものに比べ柔らかく、細いアスパラガスは太いものに比べ、味が濃い傾向が見られます。

◇驚きの成長速度

アスパラガスは不思議な植物です。
苗を植えてから収穫開始までは3年ほどかかりますが、その後新芽は一日に6~7センチも伸び、数日で収穫できるほどの成長速度です。
1度植えると、約10年間収穫できます。
生命力も強く、収穫してからも成長し、どんどん味が落ちていきます。
買ったら直ぐに、料理をしましょう!
アスパラガスを保存する際は、畑で植わっている状態、つまり立てた状態で。
下の部分は乾燥しないように、水に浸けるか、水にぬらしたキッチンペーパーで包んで冷蔵庫で保存しましょう。

◇疲れている時はアスパラガス

さて、アスパラガスの栄養を見てみましょう。日本食品標準成分表から主な項目を表にしてみました。

約9割が水分。β-カロテン、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンC、葉酸などが含まれている野菜です。
目立った栄養成分は無いようですが、アスパラガスと言えば、表の一番下にある「アスパラギン酸」です。
アスパラギン酸はアミノ酸の一種で、アスパラガスから発見されました。特に穂先の部分に多く含まれています。
滋養強壮やスポーツドリンクの成分として、配合されているので、聞いたことがある方も多いかも知れません。
アスパラギン酸は、非必須アミノ酸(体内で糖質や脂質から作り出すことのできる)ですが、疲労回復効果や筋肉の耐久力を高める効果が期待されています。
また、アスパラガスには、日本食品標準成分表には掲載されていませんが、健康、美容効果が期待できる成分が含まれています。

◇アスパラガスに含まれる健康、美容成分

【ルチン(ビタミンP)】
ビタミンCと相乗的に働く成分です。
ポリフェノールの一種であるルチンも穂先の部分に多く含まれています。
ビタミンPのPは浸透性の意味の「permeability」。
ルチンは毛細血管を丈夫にし、健康的なコラーゲンをつくるために必要なビタミンCの働きを助けます。

【アスパラプチン】
筋を取る際に取り除かれてしまうはかま(茎についている三角の部分)に多く含まれている成分です。
血圧降下作用が期待されています。

【グルタチオン】
ペプチドといわれるアミノ酸の一種です。
肝機能向上、免疫力強化、抗酸化効果などが期待されています。
アンチエイジングや美肌効果目的の美白化粧品、サプリメントなどに配合されています。

【軸の下の部分には食物繊維が豊富】
固くて捨ててしまったり、筋の部分は、食物繊維が多く含まれています。
うすく輪切りにすれば、筋も気にならず食べられます。スープや卵料理などに有効活用してください。

◇アスパラガスの栄養を丸ごといただきます「朝食にオススメ!アスパラガスのスクランブルエッグ」

いつも、捨てている部分は栄養が豊富に含まれています。
固い部分も、はかまの部分も、逃さずいただけるレシピをご紹介します。

まず、アスパラガスをうすく切ります。
うすく切ると、筋も気になりません。
耐熱容器に、たまねぎのみじん切り大さじ2杯分、アスパラガスを入れて、塩、こしょう、オリーブオイル少々を加え、よく混ぜた後、
電子レンジで約1分加熱します。

卵2個、マヨネーズ大さじ1杯を入れて、よく混ぜた後、電子レンジで約3分加熱します。
加熱の途中で、一旦取り出し、フォークなどで卵をほぐすように混ぜます。
器にトーストと一緒に盛り付け、上に粉チーズをふります。

スペインでは、「4月のアスパラガスは私が食べる。5月のは主人にやり、6月のはロバにやる」という諺がありますが、アスパラガスの美味しい時期は、あっという間に過ぎていきます。
ぜひ、アスパラガスを料理の主役に!春の香り、食感を楽しみましょう。

【監 修】

■フードディレクター・栄養士
藤原たかこ先生
オーガニック・健康食品会社にて商品企画開発・販売促進、料理教室を担当すると共にパン、デリカテッセンの商品開発、マクロビオティック、アンチエイジングレシピをユーザー向けに提供。コラム執筆、女性の美と健康をサポートするためのレシピ商品を使ったレシピなどを、雑誌・WEBマガジンに提供するなど活躍中。著書「"効く"レシピ」。

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