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梅はその日の難逃れ 梅の力

梅雨という言葉の語源が、梅が実る時期を示しているように、6月は梅が出回る時期です。
「梅干し」と聞いただけで、口の中から唾液が出て来ませんか?
おむすびの具と言えば「梅干し」でしたが、コンビニのおむすびの人気ランキングには、梅干しの姿はなく、少し寂しい感じがします。

そう言えば「梅干し食べなくなったな・・・」と感じていませんか?
疲労回復や食欲増進、抗菌に役立つと言われる梅干し。
古くから、漢方として用いられ、江戸時代には健康食として家庭にも定着し、生活の中では欠かせないものでした。
その優れた効果は、梅にまつわる様々な諺で知ることができます。
「梅はその日の難逃れ」
梅干しを食べれば、その日は健康に災いなく過ごせるという意味です。
「梅干しは三毒を断つ」
三毒とは、水、血(流)、食べ物の毒を意味しています。
簡単に言うと、梅の殺菌、抗菌作用を示しています。
血(流)は血流を意味しています。梅に含まれているムメフラールという成分には、血流改善効果が期待されています。
ちなみに、梅と食べ合わせが悪いと言われている「鰻」ですが、根拠はないそうです。

「梅干し」は食べ合わせが良くないと言われますが、医学的根拠はありません。梅干しが胃酸を分泌させることで食欲が増進するため、ウナギをたくさん食べないよう、ぜいたくや過食のいましめとして伝えられたという説があります。江戸時代の儒学者、貝原益軒(えきけん)の『養生訓』には、「銀杏」との食べ合わせが悪いという記載があり、いつの間にか「梅干し」と取り違えられたという説もあります。(農林水産省 「ウナギに関する疑問」より)

◇唾液減っていませんか?大切な唾液の働き

ドライマウスという言葉をご存知ですか?
文字通り、口が乾燥している状態です。
口が乾燥すると、唾液が少なくなります。
ストレスや口呼吸、よく噛まないことなどが原因と言われています。
唾液は、とても大切な働きをしています。
唾液の中には、アミラーゼという消化酵素が含まれ、でんぷんの消化を助ける働きがあります。
また、唾液が増えると体の免疫が強くなると言われています。唾液には、ウイルスや細菌が体に侵入するのを防ぎ、唾液自体にも、抗菌や免疫に役立つ成分が含まれています。
水分をとる、よく噛むことが大切ですが、梅のような酸味があるもので、唾液の分泌を促すこともできます。気になる時は、ぜひ試してみてください!

◇おむすびだけではもったいない 梅活用術

高温多湿の時期は、食の安全が気になります。そんな時こそ梅がオススメです。
私は、手づくりの梅干しをいつも食べていますが、種を取り除いて料理に使う際は、面倒なので梅肉を使います。
香辛料コーナーには、すぐ使えるチューブタイプの梅肉ペーストが販売されているので、色々な料理に活用しています。その中でも、簡単に作れるレシピの一部をご紹介します。

「梅肉ちょい足しレシピ」
・いつものポテトサラダに梅肉をちょい足し~酸味がプラスされて、食べやすくなります。サンドイッチにも合います
・ケチャップと合わせてナポリタンに~味付けをする際、ケチャップに梅肉を少し加えると、大人のナポリタンに仕上がります。ホットドックにも合います。
・そうめんや蕎麦の薬味に
・梅番茶~朝、食欲が無いときに。胃腸の調子がよくないときには、番茶に梅肉を入れていただきます。よく混ぜながら召し上がってください。

◇酸っぱい成分はクエン酸

梅を食べると、すっきりしますが、それはクエン酸の働きによるものです。
クエン酸と言えば、疲労回復効果が知られていますが、唾液や、胃酸の分泌を促し、消化吸収を助けてくれる働きがあるので、料理に添えられているレモンは、無駄なく使いましょう!

昔ながらの、酸っぱい梅干しが少なくなっているのは、残念ですが、食べやすい、塩分控えめの梅干し、蜂蜜が入った甘い梅干しなども多く出回っています。
気軽に取り入れ、毎日の健康的な食生活に役立ててください。

【監 修】

■フードディレクター・栄養士
藤原たかこ先生
オーガニック・健康食品会社にて商品企画開発・販売促進、料理教室を担当すると共にパン、デリカテッセンの商品開発、マクロビオティック、アンチエイジングレシピをユーザー向けに提供。コラム執筆、女性の美と健康をサポートするためのレシピ商品を使ったレシピなどを、雑誌・WEBマガジンに提供するなど活躍中。著書「"効く"レシピ」。

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