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8月3日は「はちみつの日」です

はちみつが大好きな、くまのプーさん。
琥珀色の艶やかなはちみつを、バタートーストにトロ~リとかけたハニートースト。
はちみつを入れて優しい甘さにカスタマイズしたカフェラテ。
喉が痛い時に舐めたはちみつ。
はちみつをイメージすると、小さい頃の思い出と共に、甘い香りに癒された記憶がよみがえってきます。
8月3日は、はちみつの日です。
意外と知らない、はちみつのこと。まずは、その歴史から入りたいと思います。

◇蜂と共に歩むはちみつの歴史

はちみつは、とても歴史が古い食べ物です。
紀元前6000年頃に、スペイン東部のラ・アラーニャ洞窟の壁画には、はちみつを収穫している人物が描かれ、古代エジプト文明では、養蜂が営まれ薬としてはちみつを使用していました。
日本では、日本書記に養蜂に関する記載があり、平安時代には宮中へ献上されていたそうです。
そして、江戸時代から今のような養蜂が始まり、現在に至ります。

◇はちみつが出来るまで

ミツバチが花の蜜を集めて作ったものがはちみつです。
ミツバチは女系社会です。
ミツバチの巣の中は、1匹の女王蜂、約9割を占めるメスのはたらき蜂(オスのはたらき蜂はいません)。残り約1割がオスの構成になっています。
はたらき蜂は花の蜜を求め、巣から飛び出します。
①最初に、偵察隊のはたらき蜂が、蜜源を探しに行きます。
②蜜の場所は「ミツバチの8の字ダンス」で、仲間に詳細に伝えられます。
③蜜を吸って、体に溜め込んだミツバチは巣に戻り、巣で待機していた別の蜂に蜜を口移しで渡し、巣に貯蔵します。
※この口移しにより、ミツバチが持つ酵素が、蜜を果糖とぶどう糖に分解し「はちみつ」へと変化します。
④ミツバチが羽ばたきを行い風を送り、貯めた蜜の水分を蒸発させます。そして、最終的にミツバチが分泌した「ミツロウ」で巣にふたをし、保存されます。

◇その土地ならではのはちみつ

蜜源となる植物は、樹木から草花、ハーブまで様々です。
蜜源によって、はちみつの色、香り、味、すべて異なります。
レンゲ、アカシア、ミカン、トチ、クローバーなどひとつの花からとれたはちみつを単花蜜。
複数の蜜源からとれたはちみつを百花蜜と言います。
私は、海外へ行った際は、必ずその土地のはちみつを買うようにしています。
今まで食べた中で美味しかったのは、台湾のライチはちみつ。フランスのローズマリーはちみつ。イタリアのひまわりはちみつなど。はちみつは、同じ蜜源でも生産者によって味わいが変わるので、マルシェなどで味見をしながら、自分のお気に入りを見つけるのが旅の楽しみです。
日本で出まわっている輸入はちみつの第一位は中国産で、約7割のシェアを占めています。2位がアルゼンチン、3位がカナダになっています。
国内産のはちみつは、減少傾向で輸入はちみつと比較すると価格も高めですが、旬の花蜜の美味しさが楽しめます。

◇はちみつの栄養

はちみつ、メープルシロップ、砂糖の栄養成分を比較してみました。
はちみつ、メープルシロップは、砂糖よりもカロリーと炭水化物は低めになっていますが、他に目立つ差はないように見えます。
はちみつの一番の違いは、糖の種類です。
はちみつは、約3割がぶどう糖、約4割が果糖で構成され、メープルシロップと砂糖はしょ糖が主になっています。

<ぶどう糖>
ぶどうから発見されたので、ぶどう糖と呼ばれる単糖類です。
脳がエネルギーとして利用できる唯一の成分です。分解吸収が早いので、素早くエネルギーとして利用できます。
人体にとっても重要な栄養素です。
<果糖(フルクトース)>
ハチミツや果実に多く含まれている単糖類です。甘味が強いことが知られています。
過剰な糖質は肝臓で中性脂肪に合成されます。美味しいからと言って、食べ過ぎるのは要注意ですね。
<しょ糖>
果糖とブドウ糖が結合した二糖類です。

◇はちみつの使い方

浸透性、保湿性に優れているはちみつは、料理にはもちろん、化粧品にも配合されています。
パンにぬる、ヨーグルトにかけるだけではなく、様々な使い方が出来るはちみつは、料理の調味料としても効果を発揮します。
・煮物を作った時、甘味が足りないなと感じたら、味醂ではなく、はちみつを少し加えてみてください。
・豚肉との相性も良いので、生姜焼きにはちみつを入れると肉質がやわらかくなります。
はちみつは、決して安いものではありませんが、料理にプラスすることで、味の深みが増し、美味しさもアップします。ぜひ、試してみてください!

【監 修】

■フードディレクター・栄養士
藤原たかこ先生
オーガニック・健康食品会社にて商品企画開発・販売促進、料理教室を担当すると共にパン、デリカテッセンの商品開発、マクロビオティック、アンチエイジングレシピをユーザー向けに提供。コラム執筆、女性の美と健康をサポートするためのレシピ商品を使ったレシピなどを、雑誌・WEBマガジンに提供するなど活躍中。著書「"効く"レシピ」。

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