旬の時期だけ味わえる!濃厚で甘い「いちじく」の魅力

今が旬の真っ只中。ぶどう、梨、プラムなど秋の果物が美味しい時期です。
その中で、控えめに並んでいるのが「いちじく」です。
スーパーではあまり目立たないのに、スイーツとなると話は別です。デパ地下では主役級の存在感を醸し出しています!
いちじくのケーキ、いちじくのタルトなど、フレッシュいちじくをたっぷり使った季節限定のメニューが並んでいます。
さて、普段はドライフルーツでお馴染みのいちじくですが、生のいちじくの旬は今です!
いちじくが一番美味しい時期を逃さずに、いちじくを見つけたら、濃厚な甘さと香りを楽しみたいですね。
◇なぜ無花果?いちじくは花がない果物?
英語ではfig。漢字では「無花果」と書きます。
無花果と言っても花が咲かないわけではありません。
花の部分は実として食べています。プチプチした食感の部分が花です。
実のように見えていますが、実は肥大化した花の軸部分。花はこの軸の中で咲いています。
花が咲かないのではなく、外から見ると花が見えないので無花果と呼ばれているのです。
◇福岡限定いちじく「とよみつひめ」
いちじくは、とても歴史が古い果物です。
アダムとイブというと「りんご」が有名ですが、体を隠すために使用したものがいちじくの葉です。
紀元前3000年ころには、既に栽培され食されていたと言われています。
原産地はアラビアで、トルコが一番の生産国となっています。
日本では、愛知、和歌山、兵庫、大阪、福岡などが主な生産地になっています。
出回っているいちじくの約8割が桝井ドーフィンという品種です。
1900年の始めカリフォルニアの農場から、桝井さんがいちじくの苗を持ち帰り、栽培を行ったのが始まりです。
従来の日本いちじく~蓬莱柿(ほうらいし)という品種は日持ちがしないため、流通が難しかったのですが、桝井ドーフィンは実が大きく、皮がしっかりしているので、流通に耐えうることが出来、日本で定着しました。
また、最近注目されているのがブランドいちじく。
その代表が2006年に品種登録された福岡県産プレミアムいちじく「とよみつひめ」です。
福岡県農業総合試験場 豊前分場の(豊:とよ)と、甘い(蜜:みつ)から命名されました。
ボルドー色の皮、濃厚な甘さが特長で、その糖度は17度になるものも。メロンに匹敵する甘さで、贈答用としても人気です。
◇いちじくとチーズは栄養的にも相性抜群

いちじくに含まれる栄養成分と言ったら何でしょうか?真っ先に浮かぶのが「食物繊維」
でもそれは、ドライいちじくのイメージかも知れません。
生のいちじくには、更に優れた栄養成分が含まれています。
「食物繊維はペクチン」
いちじくをジャムにしたり、コンポートにするとトロトロになります。
これは、水溶性食物繊維のペクチンの働きによるものです。
ペクチンの働きを生かすには、ヨーグルトと合わせて召し上がってください。ヨーグルトに含まれる乳酸菌は、水溶性食物繊維をエサとして増殖します。
また、便のかさが増やすので、健康的な便通の助けとなります。
「赤紫色はアントシアニン」
いちじくの赤紫色は、強い抗酸化効果があるポリフェノールのアントシアニンです。
アントシアニンと言えばブルーベリー。疲れ目に効果が期待されている成分ですが、血管の健康維持にも役立つことが知られています。
疲れ目は首や肩こりにもつながります。気になる時は、赤紫色のスイーツでヘルシーなおやつタイムはいかがでしょうか?
「酵素成分のフィシン」
いちじくには、たんぱく質分解酵素のフィシンという成分が含まれています。
いちじくとチーズ、いちじくと生ハムを組み合わせるのは、いちじくの甘さが塩気を和らげると共に、消化の意味でも相性が良いことがわかります。
◇ドライフルーツのいちじくはグンと栄養がアップする

普段食べているのは、ドライいちじく。干しぶどう、プルーン、いちじく100g当たりの栄養成分を比較してみました。
干しぶどうの値を100%とした場合の割合です。
特に右側部分のミネラル成分が高くなっていることがわかります。
ビタミン不足は自覚していても、ミネラルについてはあまり意識していない方が多いようです。
ミネラルは、体の骨、歯、血液、臓器、組織などをつくり、それらが円滑に働くために必要な成分です。
そして、ビタミンはミネラルなしに、その力を発揮することが出来ません。
これから秋本番ですが、今年の秋は普段と違い気候が安定しません。
毎週のように台風がやってきたり、気圧の変化が激しいので、夏の疲れも出やすく、未だ残暑が続いているので、発汗によるミネラル消費が心配です。
暑さで食欲が無く食が偏ってしまった方、海藻や乾物、乳製品が苦手な方はミネラル不足になりがちです。
朝食に、おやつに気軽に食べられるドライいちじくは、普段摂りにくい栄養が摂れ、キレイと健康の手助けをしてくれます。
但し、糖質量は高いので、食べ過ぎにはご注意ください!
